全世界で1年間にがんと診断される患者の数は、今後20年間で1.5倍以上増えると予想されため、WHOは各国に警鐘をならしています。
この報告によると、がん症例の約半数は現代の対策である、禁煙や飲酒、食生活、運動などの生活環境の改善、ワクチン接種(子宮頸がん・肝臓がん)で予防可能としています。
また、世界人口におけるがん患者数でみてみると、中国で発症するがんの割合が世界人口に対しがん全体では19%に対し、個々の症例別で見ると肝臓がんが50.5%、食道がん50%、胃がん42.5%、肺がん35.8%と突出して割合が高くなっています。
中国国内で問題となっている大気汚染(肺に関係)や水質汚染(食道・胃に関係)、食品汚染(食道・胃に関係)、喫煙割合多さ(肺に関係)に密接に関係していると考えられます。また、肝臓はこれらの汚染から身体を守る解毒器官であるため、もっとも割合が高いのかもしれません。
一方、日本国内では世界人口に対し胃がんが11.3%、肺がん5.2%、肝臓がん4.6%と胃がんの割合が高くなっています。
国内のがんについては何か傾向があるのでしょうか?
国立がん研究センターが発表した「全国がん罹患モニタリング集計(MCIJ)2011年罹患数・率報告;2015)」によると全国のがん死亡者を部位別で見ると、胃がんは東北地方の日本海側、肝臓がんは西日本、乳がんは大都市圏や東日本、白血病は九州・沖縄地方で死亡率が高いそうです。
WHOが指摘しているように約半数は予防できるとしているのを考えると、この傾向と生活習慣が何らかの影響を及ぼしているのかもしれません。
written by ら・べるびぃ予防医学研究所 検査室長 Y.