古くて新しいビタミンC

昔からビタミンCの欠乏症は死に至る可能性がある壊血病として知られています。
15世紀から17世紀にかけての大航海時代に、乗組員が常に悩まされた病気の症状は歯茎がグラグラして出血する、皮膚や粘膜からも出血し脱力感、鈍痛がひどくなる、そして死に致る。今で言う壊血病でした。

16世紀に南アフリカの喜望峰からインドへ至る航路を発見したポルトガル人の、バスコ・ダ・ガマの船隊では、180人の乗組員のうち100人がこの壊血病で死亡したと言われています。

18世紀に、イギリス海軍で食事療法の実験を行い、壊血病にはレモンやライムなどの摂取が最も効果的だと発表されました。イギリス海軍では乗組員にレモンジュースを飲むことが強制され、壊血病が減ったと言われています。

最近はビタミンCの欠乏症よりその効果が改めて見なされています。
(1) ビタミンCはコラーゲンの合成に必要不可欠でコラーゲン繊維が体内で出来ないと肌荒れが酷く、血管が脆くなるそうです。お肌の美容にビタミンC !! とくに女性には欠かせません。
(2) ビタミンCはとても効果的な抗酸化剤でもあります。フリーラジカルや活性酸素によって細胞に生じる傷害を守ることが出来ると言われています。
(3) ビタミンCの摂取量が少ないと心臓病と脳卒中のリスクが増加するがビタミンC を100㎎/日摂取するとリスクが大幅に軽減するという研究報告がアメリカにはあります。
(4) 末期ガン患者に1回10gのビタミンCを点滴や経口投与することにより生存期間が延長するという報告が1978年にアメリカで発表されました。また点滴で10~100gもの大量点滴を行うと血中濃度は経口投与の30~70倍になると言われています。
(5) 加齢とともに白内障の増加は避けられませんが、水晶体中のビタミンC濃度の減少は白内障症状の進行と関連しているとも言われています。
(6) その他アメリカではビタミンCを大量に投与すると風邪にかかりにくいという研究報告もあります。

ビタミンCは大量に摂取しても水溶性ですから過剰な分は尿から排出されますのでそれ程心配することはないと言われています。
しかし、一部では摂りすぎは下痢や尿路結石を誘発することがあるとも言われています。
美容や健康に役立つビタミンCですが摂りすぎで不安がある場合は一度医師に相談してみるのも良いでしょう。

written by 植山(ら・べるびぃ予防医学研究所長)

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ら・べるびぃ予防医学研究所

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