お酒(アルコール)は胃や腸から吸収され、第一段階では肝臓で分解されてアセトアルデヒドになります。
第二段階で、このアセトアルデヒドが酢酸と水に分解され、さらに炭酸ガスと水に分解されて体外に出ていきます。
お酒が強いか弱いかは、第一段階、第二段階でそれぞれ分解する酵素の量が十分あるかどうかに係っています。
また悪酔いや二日酔いの原因はこのアセトアルデヒドが分解されずに体内に残るからです。
アセトアルデヒド脱水素酵素は3つの遺伝子多型に分かれます。
お酒の強いと言われるGGタイプ(活性型)、
弱いGAタイプ(低活性型)、
飲めないAAタイプ(非活性型いわゆる下戸タイプ)。
ここまではネットで調べればすぐ解ります。
最近、米スタンフォード大学でお酒に弱い遺伝子タイプの5人とそうでない人5人の皮膚細胞からiPS細胞をつくり、心筋細胞に変化させて性質を調べたところ、この酵素は心筋梗塞になったときに発生する活性酸素の解毒にもかかわっていることが分かったそうです。
お酒に弱いタイプでは心筋細胞でもこの酵素がうまく働かず、活性酸素の解毒が出来ずに細胞が死にやすくなっているそうです。
お酒に弱い体質の遺伝子型を持つ人は心筋梗塞になったときに心臓のダメージが大きくなる、すなわちお酒の弱い人は心臓も弱いと言うことになります。
私事ですが、私はアルコールに弱く、ビール中ジョッキ1杯で真っ赤になりどうしようもなく眠くなります。
安上がりと言えば安上がりですが、お客様と食事するときなどは居眠り防止にノンアルビールか烏龍茶を注文することになります。
今年の8月に14種類の病気や生活習慣病に関する遺伝子の型を判定する遺伝子検査をしていただきました。
アルコールに関しては「下戸タイプ」で、お酒をほとんど飲めない体質と断定されました。
以前からアルコールの分解に関する酵素はないだろうと思っていたことが遺伝子検査の結果証明されました。
いくら練習しても強くならないそうです、何だかいくら練習しても上手にならない私のゴルフとよく似ています。
アルコール脱水素酵素、2型アルデヒド脱水素酵素を生成する能力が低い遺伝子を両方持っている私の心臓の大きさは、弱いと言う点で比較すればきっと蚤の心臓の大きさと同じぐらいだと思います。
written by ら・べるびぃ予防医学研究所所長 植山