和食はヘルシー?

久しぶりにロンドン市内を散策した。街を歩くとRAMENの看板が目に入る。
RAMENも最近はSUSHI同様、世界語に昇格の感がある。

入店してみると土曜日の午後にもかかわらず英国人のお客さんで溢れている。
テーブル席は満席で窓側のカウンター席に案内される。メニュー表の値段(13ポンド、2000円)に驚きながら、興味半分でとんこつラーメンを注文。

うーん? 英国人向けの味付けか? 福岡県人としてはどうも納得がいかないな。
しかし、相当な高カロリーと塩分だ。スープは残して店を出る。

東京でも外国人と寿司屋に良く行きます。
外国人は小皿になみなみと醤油を注ぎます。

板前さんが心配そうに見ていると、寿司の行水が始まります。
これでは高級寿司もたまったものではありません。
しかし、大変な塩分です。
見かねて注意する食べ方教室の始まりです。
和食が世界で人気なことは大変結構なことです。しかし、我々は和食の問題点も正確に伝える義務があります。

私は家内と大戸屋、夢庵、杉乃井本陣によく行きます。
メニューに塩分とカロリーが明記されていて安心だからです。
大戸屋のCEOの顧問をしている友人にもっと減塩メニューを出すよう頼みました。
最近、我が家の食卓には醤油スプレーが登場しています。これはGood Ideaです。
パンは高島屋PECKの無塩パン、パーネ・トスカーナです。無塩だけどこれがなかなか旨い。

実は日本人の世界人口比率はわずか1.9%です。
しかし、胃がんの発症率は10%以上で世界人口比5倍という高さです。
それは味噌汁、醤油、漬物といった塩分の濃い食事が主食のご飯に合っていたという歴史的背景にあります。
戦後は一日25グラムでしたが、現在は12グラム程度に半減しました。
今でも米国人の8グラムより50%も多くの塩分を摂取しています。
長野県は有名な味噌・漬物の産地です。全県挙げて減塩と野菜運動に取り組み、沖縄県を抜いて男性長寿県日本一になりました。
私は、60歳を超えたら一日6グラム程度の塩分摂取が望ましいと考えています。
塩分は高血圧を誘発し血管を痛めます。その結果、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病など生活習慣病の原因となるからです。

「炎の料理人」の周富徳さん(享年72歳)と「ラーメンの鬼」と呼ばれた佐野実さん(享年63歳)がご逝去されました。
奇しくも今年の4月です。ご両人とも糖尿病を患っておられたそうです。
周さんは気さくな方でした。お会いしたことはありませんが佐野さんは同じ年です。
ご冥福をお祈りしたいと思います。
合掌。

written by 筒井

投稿者:

ら・べるびぃ予防医学研究所

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