環境省が実地している大規模調査「エコチル調査」のデータから、妊婦中の血液に存在するマンガンが胎児の出生時体重及び頭囲に関連があることがわかりました。
国立環境研究所と千葉大学が共同で行った研究成果は、平成31年2月8日に環境保健の国際専門誌「Environmental Research」に掲載されています。通常、人体では血液中のマンガンはほぼ一定に保たれていますが、妊娠後期になると妊婦の血液中マンガン濃度が高くなる傾向にあります。しかし、この原因はわかっていません。また、最近の研究では、妊婦の血液中マンガン濃度が子供の発達に関係していることも指摘されています。
国立環境研究所と千葉大学が共同で行った研究成果は、平成31年2月8日に環境保健の国際専門誌「Environmental Research」に掲載されています。通常、人体では血液中のマンガンはほぼ一定に保たれていますが、妊娠後期になると妊婦の血液中マンガン濃度が高くなる傾向にあります。しかし、この原因はわかっていません。また、最近の研究では、妊婦の血液中マンガン濃度が子供の発達に関係していることも指摘されています。
この研究では日本国内の妊婦約16,000人について測定を行いました。解析の結果、妊娠28週以降の妊婦の血液中マンガン濃度高すぎたり、低すぎたりすると、男の子に限って出生体重が最大140グラムほど減収することこと、また性別に関係なく、出生時の頭囲が減少する傾向があることがわかりました。
マンガンは胎盤を保護する酵素の成分であるため、胎児に栄養を供給する胎盤の機能に影響している可能性があります。しかし、男女で差が生じた原因などについては明らかになっていません。
「エコチル調査」は血液だけでなく生活習慣や毛髪、母乳などの採取も行っていますので、今後、さらなる研究と原因が解明されることが期待されます。
出典:Newton 2019年6月号
詳細:https://www.nies.go.jp/whatsnew/20190221/20190221.html