23日夕刻ダナン空港に到着。
ダナンはベトナム中部を代表する政府直轄都市で、1週間前に成田からダナンへ週4便の直行便が開設されたばかりです。
9月末まではサーチャージ込みで往復3万円。
ダナンは三つの世界遺産に至近で海、川、山に囲まれた風光明媚なところです。
料理もベトナム料理(マダム・ラン)、ダナン湾に面した海鮮料理が安くて美味しい。
最新のノボテル・ダナンはお手頃価格で部屋の眺めは最高です。
是非、この機会に中部ベトナム・ダナンへの旅行をお勧めします。
画像提供:【トリップアドバイザー】ダナン
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さて、そのダナン市と健康・医療戦略がどのように繋がるのかを説明したいと思います。
私は一般財団法人日本ベトナム文化交流協会の理事長を8年務めています。
財団の活動の一つに医療人材の交流事業があります。
かつてベトナム中部はがん患者の95%が死亡するという悲惨な地域でした。
漸く昨年1月に中部ベトナムの悲願であったがん専門病院が誕生しました。当財団はキエム元外務大臣の要請で6年前のダナンがん病院の着工段階から支援を行ってきました。
昨年12月日越国交40周年記念としてダナン市で日本映画「渾身」を上映しました。
上映会の折、チン・ルオング・チャン病院長から人材育成の支援の要請を受けました。
そこで、先月日本対がん協会常務理事の関原健夫氏と神奈川県立病院機構理事長の土屋了介氏とベトナムがん事情とダナンがん病院の視察に訪越いたしました。
その後、ご両人のご尽力で本日めでたく神奈川県立がんセンターとダナンがん病院との間で相互交流の覚書が調印されることになった次第です。
昨日、神奈川県立がん病院長、神奈川こども病院総長、神奈川県、神奈川県立病院機構の幹部の皆様とダナンにやってきました。
明日の調印式には、チェン・ダナン市人民委員会委員長、黒岩祐治神奈川県知事、フン・ベトナム国全権日本大使もご出席の予定です。
日越友好親善が医療人材の分野でも実現することとなり、財団としても望外の喜びです。
土屋理事長のご好意で調印の翌日ダナンこども病院を訪問し、こども病院でも同様な人材育成の可能性を探索します。
ベトナム戦争による枯葉剤の影響で心臓奇形に加えて目や唇奇形の子供が多いと聞いています。
昨日のブログで2020年までの健康・医療戦略の中期目標に「医療機器の輸出を5000億円から1兆円」と「海外拠点を3か所から10か所に」を紹介しました。
本戦略の中でもグローバル戦略が重要な位置を占めています。
実は、2012年実績で、日本の医療機器は7000億円の入超です。
医薬品に至っては2兆6000億円の入超です。合計3兆3000億円の赤字です。つまり、医療分野では日本は決して国際競争力は強くないのです。
今回の戦略では「地方公共団体は、国と地方との役割分担のもとで、地域の経済、社会、産業の特徴や実情に応じて、健康長寿社会の形成に向け、当該地域にとって必要な施策を企画・立案し、実行に努めることが重要である。」として中央と地方との役割分担と連携を明確に打ち出しています。
つまり、地方公共団体にも独自のグローバル戦略を打ち出す好機に恵まれています。
これから神奈川県立がんセンターのご協力とご支援でベトナム人医師達の日本での研修に加え神奈川県の医師達も現場指導で数ヶ月ダナンがん病院に派遣されることになります。
日本とベトナムで医療人材の育成交流プログラムが始まります。
私はこの輪を広げることが日本の医療産業の国際競争力強化の最初の処方箋となるはずだと期待しています。
参考:健康・医療戦略概要から抜粋
① 神奈川県における先駆的な取組について
神奈川県においては、以下のような先駆的な取組がなされている。
○ 最先端のライフサイエンス研究の実践
○ 生活支援ロボットの実証実験、開発と導入
○ 次世代に向けた国際的なメディカル・イノベーション人材養成の実践
○ グローバル戦略の展開
○ ヘルスケアICTの推進
○ データマイニング技術によるメディカル・インフォマティクスの確立
○ 未病産業の創出
written by 筒井