- 日本人の食事摂取基準(2010年度版) 厚生労働省
- 2010年日本食品標準成分表 厚生労働省
- ビタミンの事典 日本ビタミン学会
ビタミンB2
ビタミンB2(化学名:リボフラビン)は水溶性ビタミンに分類される生理活性物質です。かつて成長因子として知られていたのでビタミンGと呼ばれたことがあります。リボフラビンは、水に溶けると蛍光のある黄色を示すので、着色料の食品添加物としても用いられています。
生体内で炭水化物、タンパク質及び脂肪の代謝や呼吸、造血作用、抗体産生や成長に必要と考えられています。その他、甲状腺のホルモン活性の維持、皮膚、爪及び頭髪をはじめとする体全体の健康を維持するのに不可欠で、不足すると「口内炎」、「舌炎」や「皮膚炎」などの症状が生じるといわれています。また、ビタミンB2は眼疾患の予防や治療に役立ち、充血や乾燥、眼の痒み及び眼精疲労を改善する効果があります。
摂取・代謝・排泄
ビタミンB2を含む食材は、肉類、卵、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、葉菜類で、これらの食材をバランス良く摂取しないと欠乏症になるといわれています。過剰に摂取した場合は尿に排泄されるため、過剰による障害は起こらないと考えられています。熱には比較的安定ですが、光やアルカリにより分解するので重曹などを用いたアルカリでの加熱に弱いといわれています。
厚生労働省は、健康な個人または集団を対象に、国民の健康の維持・増進、生活習慣病の予防を目的とし、エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示すものとして「日本人の食事摂取基準(2010年度版)」を策定しました。
食事摂取基準(単位:mg/日)
男性
年齢 | 推定平均 必要量 | 推奨量 | 目安量 |
0~5(月) | - | - | 0.3 |
6~11(月) | - | - | 0.4 |
1~2(歳) | 0.5 | 0.6 | - |
3~5(歳) | 0.7 | 0.8 | - |
6~7(歳) | 0.8 | 0.9 | - |
8~9(歳) | 0.9 | 1.1 | - |
10~11(歳) | 1.1 | 1.4 | - |
12~14(歳) | 1.3 | 1.5 | - |
15~17(歳) | 1.4 | 1.7 | - |
18~29(歳) | 1.3 | 1.6 | - |
30~49(歳) | 1.3 | 1.6 | - |
50~69(歳) | 1.2 | 1.5 | - |
70以上(歳) | 1.1 | 1.3 | - |
妊婦(付加量)初期 | |||
妊婦(付加量)中期 | |||
妊婦(付加量)末期 | |||
授乳婦(付加量) |
女性
年齢 | 推定平均 必要量 | 推奨量 | 目安量 |
0~5(月) | - | - | 0.3 |
6~11(月) | - | - | 0.4 |
1~2(歳) | 0.5 | 0.5 | - |
3~5(歳) | 0.6 | 0.8 | - |
6~7(歳) | 0.7 | 0.9 | - |
8~9(歳) | 0.9 | 1.0 | - |
10~11(歳) | 1.0 | 1.2 | - |
12~14(歳) | 1.1 | 1.4 | - |
15~17(歳) | 1.1 | 1.4 | - |
18~29(歳) | 1.0 | 1.2 | - |
30~49(歳) | 1.0 | 1.2 | - |
50~69(歳) | 1.0 | 1.2 | - |
70以上(歳) | 0.9 | 1.0 | - |
妊婦(付加量)初期 | +0.0 | +0.0 | - |
妊婦(付加量)中期 | +0.1 | +0.2 | - |
妊婦(付加量)末期 | +0.2 | +0.3 | - |
授乳婦(付加量) | +0.3 | +0.4 | - |
水溶性ビタミンであるビタミンB2は、必要量を超えると尿中に排泄されます。ビタミンB2は、エネルギー代謝に関与するビタミンであることから、エネルギー摂取量当たりの推定平均必要量を算定すると、0.5mg/1000kcalとなり、この値が1~69歳の推定平均必要量とされています。推奨量は、推定平均必要量×1.2とされています。ビタミンB2は、水溶性ビタミンの中では比較的水に溶けにくいといわれ、消化管からの吸収率は摂取量が増えるとともに顕著に低下します。また、過剰量を摂取しても余剰のビタミンB2は速やかに尿中に排泄されることから、多量摂取による過剰の影響を受けにくいといわれているので耐容上限量は策定されていません。