- 医療関係者、食品関係事業者、摂取者などに以下の事項について注意を喚起すること。
- 酸化ゲルマニウムを含有させた食品の摂取と、同食品を継続的に摂取した者に散見させる人の健康障害との間には、臨床的データから強い因果関係があることが認められ、また、動物実験においても、酸化ゲルマニウムを継続的に投与することにより人と同様の健康障害が発生することが認められるため、酸化ゲルマニウムを含有させた食品を継続的に摂取することは避けること。
- 酸化ゲルマニウムについては、動物実験において予め腎臓機能障害を起こしておいた動物に酸化ゲルマニウムを投与した場合、腎臓機能障害が悪化するとのデータがあり、特に注意を要すること。
- 食品関係事業者に対しては、ゲルマニウムを食品の原材料として使用する場合は、予めその長期健康影響など安全性を確認して使用するように指導すること。
- データで示す-日本土壌の有害金属汚染 (株)アグネ技術センター
ゲルマニウム
ゲルマニウムは半導体性質を有する元素で、シリコンが登場するまでトランジスタに用いられていました。現在でも、電圧降下が小さいという特徴を生かしてダイオードやバンドギャップが比較的狭いことから光検出器などに用いられています。ゲルマニウムの化学的性質はケイ素と類似していて、過剰に吸収すると植物や動物に有害であるといわれています。
ゲルマニウムは構成成分に炭素を含まない無機ゲルマニウム化合物と炭素を含む有機ゲルマニウム化合物に分類されます。
存在・排泄
ゲルマニウムが人体に必要かどうかは不明で、摂取不足による影響なども報告されておりません。普段の生活のなかで、食品を起源とするわずかなゲルマニウムを摂取しているといわれています。
健康食品による過剰摂取が健康障害を引き起こしたとの報告があり、1988年に厚生省が下記の局長通達を発行しました。
「ゲルマニウムを含有させた食品の取扱いについて」
前記のように通知されていて、使用禁止はされていない状況となっています。ゲルマニウムの最少有害作用量(LOAEL)は、1日あたり1~4mgGe/kg体重で、1日当たり4mg/kg体重以上を摂取した7例のうち4例が亡くなっていると報告されています。
経口摂取された無機ゲルマニウム化合物は、吸収されやすく、全身に広く分布し、脾臓に蓄積され、その後腎臓から尿中に排泄されます。有機ゲルマニウム化合物の体内動態については詳細は不明といわれています。
法規制など
規制法律名 | 規制項目 | 規制値 |
労働安全衛生法 | 別表第1 危険物 発火性の物(微粉末の場合のみ) | - |
消防法 | 第2条危険物第2類 金属粉 (目開きが150µmの網ふるいを通過するものが50%未満のものを除く) | - |