- 土壌中のウラン濃度
出典:独立行政法人 産業技術総合研究所 海と陸の地球化学図(外部リンク) - 「環境中のウラン濃度」 独立行政法人 日本原子力研究開発機構
- 「環境研百科 第94号 身近にあるウラン」 公益社団法人 環境科学技術研究所
- 「評価書 食品に含まれる放射性物質」 独立行政法人 日本原子力研究開発機構
- 「環境中のウラン濃度」 食品安全委員会
- 「重金属のはなし - 鉄、水銀、レアメタル」 中公新書 渡邉 泉
ウラン
ウランは代表的な自然放射性物質のひとつで、自然界では234U、235U、238Uの同位体があり、特に238Uはその存在比が99.28%とそのほとんどを占めています。ウランは土壌中に広く分布し、日本国内には238Uとして2~59Bq/kg(平均:29Bq/kg)含まれています。また、地域により濃度幅は異なります。海水中には45億トンのウランが存在し、鉱物として利用可能なウランの約1000倍もあるといわれています。
原子力発電所で使用される燃料は、自然界に存在する235Uの濃度を2~5%程度に濃縮した低濃縮ウラン燃料が利用されています。
摂取経路
ウランの汚染経路としては呼吸による大気からの吸入と、飲料水及び食物による経口摂取が主であると考えられます。一日の摂取量は1.13μg/日と推定され、使用されたデータからその内訳はほとんどが食物(86%)、次いで土壌(9%)、飲料水(4%)とされ、残りがハウスダストと推定されています。
毒性
ウランの毒性は化学形態及び吸入もしくは経口摂取かによって異なり、ウラン単体の毒性は砒素と同程度であるといわれています。消化管からの吸収はウラン化合物の種類により異なり、尿中に排出されます。
過剰蓄積による症状や病状
低濃度のウランを含む井戸水を飲んだヒトに関する調査では、腎尿細管への影響が示唆されています。しかし、臨床的意義は明らかではありません。動物実験においては主に腎臓や肝臓に影響を与え、発生毒性(胎児への影響)も示されています。