栄養素のチカラ
栄養素のチカラ
著者:ウィリアム・ウォルシュ博士(William J. Walsh, PhD)
発行: ら・べるびぃ予防医学研究所
精神医療の新たな扉が開かれた。
『栄養素のチカラ』
うつ病の約半数に抗うつ薬が効かない理由
銅の過剰が産後うつを引き起こす
グルテン・カゼインフリー食で自閉症児の85%が改善
今まで治らないとあきらめていた人たちの原因がここにある。すべては脳内物質のバランスにあるのだ。本書は、脳の機能障害による症状に悩むすべての人々、家族、そして医師の助けとなるだろう。
著者のウィリアム・ウォルシュ博士(William J. Walsh, PhD)は、アイオワ州立大学で化学工学の博士号を取得後、30年以上に渡り個体差を考慮した分子栄養療法の研究を続けてきた科学者である。過去数十年に渡り、行動障害、ADHD、自閉症、うつ、不安、双極性障害、統合失調症、アルツハイマー病などの患者のための栄養による治療法を開発してきたパイオニア。博士の開発した療法は世界中の医師に用いられ大きな成果を上げている。これまで博士は200本以上の論文と記事を発表してきた。
監訳者コメント
分子栄養学の最高峰
本書は現代の最先端分子栄養学の最高峰であり、精神医学に革命を起こす書である。
ここに脳科学と遺伝学の最新の知識が見事に統合された。
本書は、心の病を患う人やその家族、そして医師にとって脳の生化学を改善するための大いなる指針となるだけでなく、脳と遺伝学に興味を抱くすべての人にも有益であると信じる。
生田 哲(監訳者・薬学博士)
推薦コメント
本書を強くお勧めします。
私が今までの治療で失敗していた理由が全てそこにあった。
精神疾患の治療方針は病名で決まるのではなく、脳の生化学状態で決まる。
本書には、うつ病をはじめとした精神疾患のタイプ分類の方法とそれに対する対処法が詳細に記されている。
薬の副作用に苦しむうつ病患者、精神疾患への栄養療法に取り組むすべての患者、家族及び医師に本書を強くお勧めいたします。
宮澤賢史(医師・医学博士)
本書の特徴
〇膨大な数の化学データベースを分析
本書では、科学に基づいた栄養療法を紹介している。
これは精神疾患と診断された多くの人々の助けとなるだろう。
膨大な数の生化学因子が著者のデータベースに蓄積されている。
著者は心の病と異常行動を引き起こす要因を化学データベースを駆使して解説している。
〇精神医療の革命的な取り組み。
うつ、統合失調症、ADHDは、脳の化学と症状の幅広い違いをひとまとめにした総称である。
本書では、特定のバイオタイプへのオーダーメードの栄養療法を解説している。
向精神薬による試行錯誤の治療の応用ではない。これは精神医療に革命的な取り組みをもたらす治療法である。
〇脳の真の正常化を目指す。
本書では、回復報告を受けた患者それぞれに適した栄養療法を解説している。
この治療法は、現在の試行錯誤をくり返す向精神薬による治療よりも科学的であり、脳の真の正常化を目指すものである。
〇オーダーメードの栄養療法
本書では、注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉症、行動障害、うつ、統合失調症、アルツハイマー病といった精神疾患をバイオタイプ別に分類。
それぞれのバイオタイプにあったオーダーメードの栄養療法を詳細に解説している。
本書より
例えば、うつは5つのバイオタイプに分類され、それぞれが症状、特徴、身体的特徴が異なり、そのタイプによっては一般的な抗うつ薬であるSSRIがまったく効かない、または悪化させてしまう場合がある。
自閉症スペクトラムの子供500人で、グルテンフリー、カゼインフリー食で85%が改善した。
自閉症児には一般集団ではあり得ない生化学的不均衡がある。
それは、①亜鉛不足 ②銅の過剰 ③ビタミンB6の不足 ④有害金属の蓄積 そして、低メチル化である。
など、ウォルシュ博士の膨大なデータと分析に基づき明らかになった事実が満載!
目次
第1章 生化学的個性と心の健康
第2章 脳の生化学101
第3章 心の健康における栄養素の決定的な役割
第4章 エピジェネティクスと心の健康
第5章 統合失調症
第6章 うつ
第7章 自閉症
第8章 行動障害とADHD
第9章 アルツハイマー病
第10章 クリニカル・プロセス
附録A メチル化の重要性
附録B 酸化ストレス
附録C メタロチオネイン