抜け毛
毛髪の再生・育毛に必要なミネラルは年齢と共にその吸収率が減少します。例えば、亜鉛は22~33歳の人の場合、摂取した量に対する吸収率は約35%、65~74歳の人の吸収率は約17%であったという報告もあり、高齢者ではミネラルを摂取していても、その吸収が十分になされていないことが考えられます。
「毛髪ミネラル検査」は摂取したミネラルの吸収の結果が反映されているといえます。抜け毛だけでなく白髪やパサつき、毛髪の状態が気になる方はミネラルバランスと栄養の過不足を把握していただき、毛髪ミネラル検査結果に基づく栄養・食事アドバイスを参考にしていただければと考えます。
毛髪の再生・育毛に欠かせない必須ミネラル
毛髪の再生・育毛には多くのミネラルが関わっています。特にこのようなミネラルは毛髪にとって欠かせないミネラルであるといわれています。これのミネラルを摂取するとともに、毛髪やコラーゲンの構成成分であるシステインやグリシン、メチオニンなどのアミノ酸やビタミンの摂取も必要といわれています。
亜鉛・銅・鉄
コラーゲンの合成や強化に欠かせないミネラルでこれらが不足しているとコラーゲン自体の合成・強化ができません。
カルシウム・マグネシウム・亜鉛・銅・マンガン・セレン
これらのミネラルは抜け毛予防に必要となります。特に、セレンは頭皮の過酸化脂質の障害の緩和に作用します。
カルシウム・銅
白髪予防に必要となります。
カルシウム・セレン
フケ予防に必要となります。
ヨウ素
毛髪の乾燥予防に必要となります。
毛髪の再生・育毛のためにはミネラルの摂取だけでなく、その他の原因も考慮に入れ対策が必要と考えられます。
加齢との関係
毛髪は加齢に伴い毛髪密度や毛直径の減少し成長速度が低下します。毛髪の状態は年少者ほど毛髪の密度が高く、その直径は細くなっていいます。男性では思春期、女性では20~30歳にかけて毛髪の直径は最大になり、その後加齢と共に細くなっていきます。毛髪密度は20歳代をピークに年齢と共に減少するため、髪のトラブルを自覚しはじめるのは30代後半が多いようです。女性の場合、40歳を前にホルモンバランスが乱れ始めることや、女性ホルモンは更年期から閉経に向かって減っていくことも関与しています。
毛髪のアンチエイジング(抗加齢)のためには亜鉛や銅、カルシウム、マグネシウムなどを積極的に摂取することを心掛けましょう。
男性ホルモンとの関係
男性型脱毛症のリスクのひとつに男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンがあります。このホルモンが毛乳頭細胞に作用すると毛乳頭細胞から毛母細胞(毛髪を作り出す細胞)の増殖を抑制する因子が分泌されて成長期が短縮することが解っています。この物質は男性ホルモンが変化した物質ですが女性でも少量ながら分泌されます。また、モリブデンは男性ホルモンの一種であるテストステロンの働きを妨げる作用があります。
毛髪の再生・育毛に必要な栄養素と多く含む食材
コラーゲン
牛すじ、骨付きスペアリブ、豚耳、鶏手羽、鶏軟骨、うなぎ、カレイ、鮭
亜鉛
牡蠣、うなぎ、ほたて貝、田作り、牛・豚赤身、豚レバー、凍り豆腐
銅
ほたるいか、牡蠣、えび、牛レバー、きな粉、豆乳、甘栗、アボカド
ヨウ素
昆布、ワカメ、のり、寒天、いわし、鮭、鶏肉、メロン、パイナップル
カルシウム
田作り、干しエビ、イワシ、ししゃも、うなぎ、凍り豆腐、木綿豆腐
マグネシウム
かぼちゃの種、アーモンド、油揚げ、納豆、そば、ココア、バナナ
マンガン
松の実、くるみ、凍り豆腐、きな粉、やつがしら、玄米、玉露、干し柿
セレン
かに、ほたて貝、ほたるいか、うなぎ、いわし、あじ、ししゃも、たらこ
ビタミンC
赤パプリカ、トマト、芽キャベツ、さつま芋、レモン、キウイ、オレンジ
その他の原因と対策
毛髪の再生・育毛には加齢だけでなく精神面や生活習慣の変化も必要となります。
ストレス
ストレスはホルモンバランスの乱れだけでなく代謝にも悪影響します。スポーツや趣味を楽しみリフレッシュすることも大切です。
紫外線
紫外線を浴びることは頭皮の乾燥や毛髪の水分の損失、また、細胞やコラーゲンなどタンパク質にダメージを与えることにつながります。外出時は日傘や帽子で頭皮を守りましょう。ただし、帽子の場合、蒸れも抜け毛の原因になるので、こまめに着脱し新しい空気を入れるケアが必要です。
睡眠
髪もお肌同様に夜、再生・合成します。再生・合成に重要な成長ホルモン分泌が活発になる午前0時には深い眠りについていることが理想。また6時間は睡眠時間をとりましょう。
喫煙
薄毛や抜け毛と血行は大きく関係しています。タバコは血流の阻害や血行不良の引き金になり、また、コラーゲンの合成に必要なビタミンCを消耗し、毛髪の乾燥やフケ・湿疹の原因にもなります。