アルミニウム


    アルミニウムは地殻に約8%含まれ、酸素、ケイ素についで3番目に多く含まれています。また、銀白色の柔らかい軽金属で展性、延性に富み熱と電気の良導体であるため、建築材料、車両部品、容器や包装材、調理器具などに広く使用されています。その他、アルミニウムは食品や、医薬品や食品添加物として含まれています。
    また、アルツハイマー病の原因としてある時期盛んに取り上げられていました。しかし、現在は脳内のアミロイドβが沈着し老人斑を形成することで神経伝達を阻害し記憶障害や神経細胞死を引き起こすことの説が有力になっています。

    摂取経路


    人は飲食物、水、空気、食品を介してアルミニウムを摂取しています。その中で最大の摂取源は食品です。これはアルミニウムが地表上(地殻)に豊富に含まれていることが影響しています。食材としては海藻、貝類、大豆・ごま類、葉菜類に多く含まれています。
    厚生労働省により行われた摂取量調査では小児(1-6歳)において加工食品中の砂糖・菓子類から摂取が最も多く、穀類からの摂取も多いため、食品を偏って摂取する小児の場合ではアルミニウム摂取量が高くなる恐れがある懸念されています。東京都安全健康センターで行われたアルミニウム含有食品添加物を用いた食品についての報告では菓子・パン類、野菜加工食品及び海産物、即席めん及び春雨などからアルミニウムが検出されています。調べた食品や食材105試料の中で体重16kgの子供が週に1度摂取した場合、2006年に設定されたFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)の暫定的耐容摂取量1mg/kg/週(報告発表時)に相当すると推定されるものとしてパウンドケーキミックス、スコーンミックス、ホットケーキミックスなど5試料あり、子供、特に幼児では製品の種類や摂食量により暫定的耐容摂取量を超える可能性があると示唆されました(これらは販売されているすべての商品に該当するものではありません)。

    厚生労働省は、このような報告からアルミニウム含有食品添加物を使用している関連業界に対し、菓子パンやケーキの一部に添加物として含まれる膨張剤(硫酸アルミニウムカリウム及び硫酸アルミニウムアンモニウム)の使用量を自主的に低減するよう依頼するとともに、許容摂取量の基準値を設け規制する方針を決定しています。


    吸収と代謝


    経口摂取されたアルミニウムの99%はそのまま排泄され、残りの1%は消化管を通して吸収された後、主に腎臓を通って尿中に排泄されます。体内には約40mgのアルミニウムが主に肺と骨に存在し、血液や脳にもわずかに存在するといわれています。しかし、アルミニウムの体内動態ははっきりと解明していないのが現状です。


    耐容週間摂取量について


    国際的な規制としては、FAO/WHO合同食品添加物専門家委員会(JECFA)により、一生涯にわたり摂取し続けても健康影響が現れない1週間の体重1kgあたりの摂取量として暫定的に耐容週間摂取量を1mg/kg体重/週と定めていましたが、その後、新たな知見を踏まえ、2011年のJECFA第74回会合で暫定最大耐容週間摂取量を2mg/kg体重/週とし改定されました。また、アルミニウム含有食品添加物の最大使用量についても世界食糧機関(FAO)と世界保健機構(WHO)により設立されたコーデックス委員会において議論が進められています。


     参考資料

    ■ミネラルの事典  朝倉書店
    ■神奈川県衛生研究所  食品中のアルミニウム規制?  衛研ニュースNo.159.  2013年11月
    ■アルミニウム食品含有添加物を使用した食品中のアルミニウム含有量  食衛誌.  2012;53(1):57-62






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