トリプトファン


    トリプトファンは、いろいろな食品に含まれていますがその含有量は他のアミノ酸に比較して低いアミノ酸です。その中でも多く含まれている食品として豆類や赤身の魚、チーズ、バナナなどの食品があります。
    トリプトファンはキヌレニン経路とセロトニン経路の2経路で代謝され、摂取されたトリプトファンの約95%はキヌレニン経路で、残りはセロトニン経路で代謝されます。セロトニン経路はさらに2経路に分かれ、腸管の細胞によりセロトニンを生合成し腸の動きを制御する消化運動に関わる経路と中枢神経系のニューロンによりセロトニンを生合成し心理状態や記憶、学習を含む認知機能の調節などに関わる経路で代謝されます。特に中枢神経系で生合成されるセロトニンは精神活動に関わりが深いため、不眠症や睡眠障害、うつ病、更年期障害、月経前症候群などの疾病との関連性について調査・研究が進められています1-5)
    1989年、米国にてトリプトファンの摂取で好酸球増多筋痛症候群の発症が数多く報告され死亡例も発表されました。これは製品に混在した不純物が原因との指摘もあり、その原因・発生機序は明確になっていません。しかし、最終的にトリプトファンの大量摂取にあったのではないかと考えられています。


    参考資料

    1. Sleep induced by L-tryptophan. Effect of dosages within the normal dietary intake. J Nerv Ment Dis. 1979 Aug;167(8):497-499.
    2. Treatment of depression with L-5-hydroxytryptophan combined with chlorimipramine, a double-blind study. Int J Clin Pharmacol Res. 1983;3(4):239-250.
    3. Potentiation of the antidepressant action of clomipramine by tryptophan. Arch Gen Psychiatry. 1976 Nov;33(11):1384-1389.
    4. A placebo-controlled study of the effects of L-tryptophan in patients with premenstrual dysphoria. Adv Exp Med Biol. 1999;467:85-88.
    5. A placebo-controlled clinical trial of L-tryptophan in premenstrual dysphoria. Biol Psychiatry. 1999 Feb 1;45(3):313-320.









Copyright © La Belle Vie Laboratory Inc. All Rights Reserved.